DIJの惣菜
23時を過ぎるとスーパーの惣菜コーナーにあいつがやってくる、半額シールを持ったDドキドキするようなIイカれたJ従業員、民衆は彼を取り囲み彼の手の動きを見て熱狂する、人々がどんどん集まってくる、彼が惣菜売り場から離れると一気に襲い掛かる飢えた愚民達、その中には当然僕も含まれている、さながら夏場のバーゲン、あだ名はさすがコラーゲン、鶏の唐揚げを奪い合う僕たちは争いなくして生きていけない、僕はこの孤独なレースに勝ち抜くために必殺技を用意している、行くぞ、必殺、まだ半額シールが貼られてない惣菜を手に持ってDIJが再びやってくるのを待つ!シールが貼られてない惣菜に欲望に目がくらんだ群集は見向きもしないから、激しいポジション取りの中、すっとスマートに自分の惣菜をGETできるのだ、大丈夫、後は僕のくりくりとした可愛い目でレジにいる従業員の方を艶かしく見つめたり鶏唐が入ってる容器にいやらしい舌使いで軽くKISSしてみたり、従業員やご近所さんに何度か『はあ?死ねば?しょせんお前、この星の欠片でしょ?』と言われるかも知れないけど、くじけるな、いつかは星の真ん中になれる日が来る、アピールを続ければそのうちシールを貼ってくれる、鶏唐の容器と、僕の被っているサンバイザーに、半額シールが今、DIJの惣菜!俺が半額なのか、俺のサンバイザーが半額なのか、DIJのみぞ知る、皮肉なのか。