大阪のローマピザ職人しもせのホワイト飲食経営論的な何か

年商2億円・年間休日130日のホワイトなイタリア居酒屋とラーメン屋を6店舗経営/本職ローマピザ職人/元飲食広告制作サラリーマン/損益分岐点の低いローコストほのぼの飲食経営スタイル広めて、飲食業界を過労しなくても成功する世界にしたい/全国750社参の飲食経営勉強会の2019年MVP経営者💖←参加企業募集中(個人店OK)

日常に生きない少女 2003年12月29日(月)作成

妹の友達きたっち(13歳)が我が家に弁当を持って遊びに来ました。

せ 『美味しそうやね〜。』
キ 『駄目ですよ!焼きおにぎりは!焼きおにぎりは!』
せ 『じゃあ、卵焼きをちょうだいな。』
キ 『いいですよ、焼きおにぎり以外は!』
せ 『何でそんなに焼きおにぎりを死守するの・・・?』
キ 『お母さんが涙を流しながら作ってくれたの・・・。』
せ 『深い事情があるみたいやね・・・。じゃあ、僕は卵焼きは遠慮しておくよ。』
キ 『いや、それはいいですよ。卵焼きは笑いながら作ってましたから。』
せ 『何でそんなに対照的やねん!焼きおにぎりと卵焼きの間にお母さんの身に何があったんやろ・・。』
キ 『うふふ、この焼きおにぎりには焼肉が入ってるんですよー、ついでに母の涙も。』
せ 『それは豪華やね。っていうか母の涙はついで扱いなんだね。』
キ 『ほんとお母さん笑いすぎて泣いてたもんなー。』
せ 『(涙の原因が笑いすぎなのに何で死守するのかな・・・え、卵焼きの立場は?)』
キ 『で、ですね、このお弁当じゃ足りないと思ってさっきスーパーで材料を買ってきましたので台所を貸してください。』
せ 『うん、いいよ。でも、弁当を持ってきた意味を完全に否定してるよね、食材購入って、お母さんの立場は、ねえ?』
キ 『よーし、美味しい焼きおにぎり作るぞー。』
せ 『それは楽しみやね。・・・・・また焼きおにぎりかよ!』
キ 『駄目ですか?じゃあ、焼かないおにぎりで。』
せ 『それは普通のおにぎりやね。うん、まだオニギリにこだわるのか。』
キ 『生肉をはさむしかないんだね・・・焼肉残念だなあ・・・。』
せ 『具は焼いてもいいよ!焼肉にこだわるんですね!っていうか、飯も焼けばいい!もうどうでもいい!いいじゃない!好きにやれば!』
キ 『やった−。これでお母さんの味を再現出来るー。』
せ 『ははは。』
キ 『隠し味に涙を忘れないようにしなきゃ!』
せ 『そこまで再現せんでもええわ!』
キ 『あとは母のセリフも大事よね。』
せ 『シチュエーションまで再現しなくていいのに・・・。』
キ 『「おにぎり一個で米が950粒・・・・」』
せ 『うわあ・・・何か切ない・・・米粒って数えるもんなんだあ・・』
キ 『「お父さんのおにぎりはめちゃくちゃ焼いちゃおうっと、真っ黒になるまで愛!」』
せ 『家で苦労してそうやね・・・お父さん。』
キ 『「隠し味を全面に押し出そうっと。」』
せ 『え、あ、いや、それは・・・。』
キ 『「隠し味の焼肉だ!」』
せ 『何か主役っぽい隠し味やね。』
キ 『「あ、でも、隠し味を隠さなかったら意味が無いわね。」』
せ 『お、気付いたね。』
キ 『「よし!焼肉はおにぎりに入れないで冷蔵庫に隠しておこう!」』
せ 『もう意味を間違えてるよとかツッコミいれるのがしんどい。』
キ 『「ついでにおにぎりも何個か隠しちゃおう!」』
せ 『それで足りなかったんだねえ・・・・。』
キ 『・・・・・・・出来た!あとは隠し味の焼肉を冷蔵庫から取り出せば・・・・って焼き肉が無いよ!』
せ 『僕の家の冷蔵庫だからね。』
キ 『し、しまった・・・・完全再現を失敗した・・・。』
せ 『何となくわかった、君は完全にお母さん似なんだね。』
キ 『ええ、おばあちゃんっ子ですから!』
せ 『・・・・話、聞いてた?』
キ 『聞いてましたよ、私のおばあちゃんはお父さんのお母さんなんですけど妙にお母さんに似ててお父さんが自分の母に似た女性を好きになったというマザコン疑惑が生まれててお母さんに似てるおばあちゃん子の私なのでお母さんに似てるのです。』
せ 『そんな裏話は知らんよっていうか、最後の一行だけで説明済むやん!』
キ 『ははは、あー、焼きおにぎり美味しいなー。隠し味が効いてて。』
せ 『隠し味を隠し切った・・・自らを騙してまで隠し切ってる・・。』
キ 『ははは、肉ねえー。』

二年前の話ですけど、きたっちさんは今も健在です、この前、彼女は観覧車に乗った瞬間にアイマスクをしたらしいです、『実際の景色よりも私が想像する世界の方が美しいもん』って言ってたそうです、もう全然意味がわからない、ちなみにきたっちが美しいと思って想像した景色は校長先生が下水道で溺れかけているのに顔は作り笑顔っていう画だそうです、いや、それ景色じゃない。