唇に毛を生やさないとトップモデルになれやしねえ

実家に飛行機を使って帰ることにしたということを妹に報告。

せ　『もしもーし。』
妹　『はい、髭を生やしたい妹です。』
せ　『やめろー！春から女子高生なのに！』
妹　『しかも唇から生やす、無精髭。』
せ　『誰にも唇うばわれなくなるよ！』
妹　『で、何か用？私は今、リップクリームにどうやって上手くカミソリを取り付ければ髭の手入れ出来るか悩んでて忙しいの。』
せ　『何で唇に髭を生やしたいねん。』
妹　『人とは違うお洒落！時代を先取りや！』
せ　『そんな時代は人類に来ない！』
妹　『え？じゃあ、ウスバカゲロウには時代来るかな？』
せ　『来ないと思うけど、将来的に蚊になるような女子高生になるなよ。』
妹　『髭か、蚊か・・・・選べないな・・・』
せ　『選ばなくてもいいやん！』
妹　『早く用を言えよ！この、蚊業界のサモハンキンポーめ！』
せ　『俺、蚊じゃないし！人間界でもサモハンキンポーは褒め言葉じゃねえ！あのー、今度、飛行機で実家に帰ることになりました。』
妹　『本当？飛行機って、あの飛行機？紙？』
せ　『紙飛行機じゃないよー。』
妹　『じゃあ、酢飯飛行機か。』
せ　『いや、酢飯じゃ飛ばないだろう、何、その発想。』
妹　『絶対ハイジャックされるわー。』
せ　『大丈夫やって。』
妹　『ハイジャックされたら、犯人の要求で神戸空港に着くはずの飛行機が関西国際空港に着いたりするんやろ？』
せ　『近い目的地変更やな！』
妹　『犯人は、ハイジャックしたから料金安くしろ！２割引や！おつりは、取っとけ！って言うんやろなあ。』
せ　『乗っ取ったのにお金払うのかよ！』
妹　『犯人の要求で機内食はふりかけに変更されるんや・・・。乗客はみんな、白米をくれーって悶えるんだ・・・・。』
せ　『ふりかけオンリーは精神的にきついな！』
妹　『ファーストクラスの客にはナメタケ出されるんや・・・。』
せ　『ふりかけよりちょっとランク上っぽい！』
妹　『スチュワーデスはキリンにやらせるんや・・・』
せ　『人間じゃないのかよ！キリンが機内に入るには横たわるしかないよね！首的に！』
妹　『それで、機長は強制的にイナバウアーをさせられて、操縦不能になるんだ・・・』
せ　『ハイジャック犯フィギア好き！？』
妹　『墜落しそうになったところで、犯人は「嘘でしたー」って言って逃げるんだ。』
せ　『嘘って何やねん！やってるやん！ハイジャックやってるやん！』
妹　『機長も、ああ、嘘なんだー、ふーん、嘘ならいいかー、って言いながら四回転アクセルを決めてから操縦を再開して。』
せ　『大技決めてる場合じゃないだろ！で、何で嘘で納得できるねん！』
妹　『ちゅどーん！』
せ　『墜落したー！』
妹　『唇毛が逆立つほど怖いね、毛髪に鳥肌立つわ。』
せ　『お前の体の毛は本当に人間のものか。』
妹　『お兄ちゃん、飛行機は怖いなあ。』
せ　『たしかに怖いけど、そんなハイジャック犯はおらんから大丈夫や。』
妹　『いなかったら、私がやる！』
せ　『家でじっとしてろ！』
妹　『わかった、唇に髭だけじゃなくて、爪先から樹齢３００年の木を生やしたい！』
せ　『気持ち悪い発想やな！お洒落ちゃうわ！』
妹　『樹齢が目標に達する頃には帰ってきてねー。』
せ　『おい、それは３００年後か？３００年後か？』
妹　『それまで絶対家の場所教えない。』
せ　『早く教えてよ！半年間、新居の住所秘密にさせられてるの寂しいよ俺！家族だよ！』
妹　『・・・・・・・・・・・・・・』
せ　『無視かよ！』
妹　『この電話番号は現在使われておりません。』
せ　『今までしゃべってたやん！ひた隠すなよ！おい！おーい！』
妹　『この電話番号を使ってる人はあなたに伝えたいことがありません。』
せ　『えー。』
妹　『この電話番号は刑務所に自動的に繋がります。』
せ　『えー。』
妹　『囚人全員、唇に毛が生えてます。』
せ　『えーーーー！！』
妹　『しかも、ちぢれてるでー！ばいばーい。』

僕は実家の引越し先を本気で教えてもらってません。

↓何度聞いても住所を教えてくれない家族を持ったことに対して悲しくなった日の話。
http://d.hatena.ne.jp/YOAKE/20060110#1136891135