書評やあらすじはボケの前フリなのか
- 作者: いしいしんじ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/03/28
- メディア: 文庫
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トリツカレル=夢中になること。何かにトリツカレ一心不乱にひとつのこと突き詰めるもののやめる時はすぱっと突然やめてしまう男の子ジュゼッペ、周りの人たちはそんなジュゼッペにうんざりしながらもトリツカレちゃってるのさ!ってそこまで熱くはないけれど、目に見えるわかりやすい温かさじゃないけど、温かいことが大前提の世界は辛いことも苦しいことも優しさの中で起こるもの、そんな物語は不条理だって柔和で暖色で包み込んじゃうのさ!そんな世界の中でトリツカレ男が1人の女の子に恋をしてしまう童話的でピュアなお話、真っ白な絵の具に少しだけ黒を垂らしてちょっと灰色、そんな冬空の重さは物語の重さと男の子の清純さの色、女の子にトリツカレルと周りが見えなくなるのは男にとっては当たり前で素敵すぎることだよなあ、いやあ、間違ったこともやり続ければ正解になるのかなあ、ならないと思うけど、なったら奇跡だよねえ。僕も、まあ、今ですね、1人の女の子にトリツカレてますね、あの子のことを考えると夜も眠れないんだ、ああ、今、あの子はどうしているのかなあ?入れ歯を洗っているのかなあ?それとも、入れ歯をミット代わりにキャッチャーやってるのかな?もしかしたら、おさわり入れ歯クラブでキャバ嬢やってるのかな、ちょっと嫉妬、見知らぬ男に入れ歯を触らせてお金を稼ぐなんて。僕の今年の手帳はあの子が30年前に使ってた入れ歯さ!親知らずに5月の予定を書き込んでいるのさ、ああ、もうすぐあの子の誕生日がやってくる、80回目説と110回目説があるのさ。