大阪のローマピザ職人しもせのホワイト飲食経営論的な何か

年商2億円・年間休日130日のホワイトなイタリア居酒屋とラーメン屋を6店舗経営/本職ローマピザ職人/元飲食広告制作サラリーマン/損益分岐点の低いローコストほのぼの飲食経営スタイル広めて、飲食業界を過労しなくても成功する世界にしたい/全国750社参の飲食経営勉強会の2019年MVP経営者💖←参加企業募集中(個人店OK)

(腐っていくことを止めない)キッチン

キッチンが腐っていく。夏の暑さに耐えれない僕はクーラーが届かない台所を無視する。自分が作ったご飯を自分で食べる寂しさを何かに例えることが出来たらしんどさも誤魔化せるかなあと思って『大学のテストが始まる30秒前に友達にガリガリ君を差し入れるってボケをしようとしたのに友達は勉強に必死で話しかけられず僕は答案用紙が配られた机の前にぽけーっと立ち尽くしガリガリ君が溶けて答案用紙が汚れていくのを眺めてた』、ヤル気ないよ、どうせ何も書けやしないんだから白紙をソーダ色でべとべとに染めてしまえばいいんだ、ちくしょー、と僕は夏休み前の悶絶を押し殺そうとして窓を開けて開放的な気分になろうとしたがボロアパートの窓が切り取る空はとても狭く快晴なのに重苦しく水色なんかねっとりしてて僕の顔はさらに沈み込んだその先で着替え中の全裸じいさんと目があった、じいさんのうるんだ瞳とやせ細ったあばらはとてもきれいで僕は体臭が無ければあの胸に飛び込んで泣きじゃくったり肋骨を一本ずつ絵の具で虹色に染めてじいさんのレントゲンをカラーで撮ってみたい欲望に駆られたが体液が雨じゃロマンチックでもなんでもないので腐った匂いがするキッチンへ逃げ込んだ。カビのはえたパンの匂いをかぎ落ち着くやいなやゴミ箱へ捨てる。そしてそのまま外に。左を見ると隣に住むおばさんが梅を干していた、甲州街道からの排気ガスをたっぷり吸い込むだろう梅干の行く末に絶望しつつも僕は梅干食べたい時は今すぐ君に会いたい、って唄ってた。