僕はこう抱きしめるから
・来たね、俺の時代が。
・この街に住んで3年以上経つのだけど、今日『せもし君ファンクラブ』が存在することが発覚しました。メンバーは全員40歳以上のおばさんですけど。
・今日はファンクラブリーダーの女性とツーショット写真を撮りました。よーし、モテモテー。お前ら全員20歳若返れー。
・僕の接客は非常にやわらかく穏やかなのだけど、厨房に戻ったらどぎつい下ネタを言ったりモノマネの練習ばかりしてます。裏表が激しすぎるけど、どっちも俺だぜ、作ってるわけじゃなく自然に対応がかわりまくる。あと、裏でも表でも露骨にえこひいきします。
・お仕事。台風で暇かなあって思って、朝からハララ社長(←僕が所属するビジュアル系事務所の社長、2年間で仕事ゼロ、)と激しいダンスバトルを繰り広げてしまった。体力使い果たした。
・うちの店は街で一番人が通る道に面してるビルの二階にあるので、僕らのダンスは街中の人に見られている。向いにある美容院の人が僕らを見て笑ってたので、美容師さんを挑発してダンスバトルをしかけてブレイクダンスをしました。散々笑われたあげく無視されました、今度『一回ガンジーの髪型にカットしたあとにサイババヘアーにしてくれ』って言ってやる。
・微妙に忙しかった。
・暇な時はお客さんの死角になる場所で踊ってるかモノマネをやってます。別に見られてもいいんだけど。
・店の前で小さい子供数人が遊んでたので『おーい、君らはご飯食べるかい?』って聞いたら『ううん!おなかいっぱい!もう食べたもん!』って言われた。
・『お兄ちゃん、一緒に遊ぼ!』って誘われたので仕事中にもかかわらず『うん!』って気持ちの良い返事をして『遊んできていいですか!?』って店長に言って子供の輪に混ざったりもした。
・『ポケモンかデジモン、どっちで遊ぶ?』って聞いたらシーンってされたので、1分くらいタカオニをして仕事に戻りました。
・親父が交通事故にあって手術をしたらしく、命の危険もあるって聞いてたので仕事終わりに実家から着信があった時、びくってなった。
・『お兄ちゃん、遊びにいっていい?』ってのが妹の第一声だった。え、親父の話は?このタイミングでその第一声はおかしいだろ。
・親父は大丈夫だそうです。二ヶ月くらい入院するらしいけど。
・親父が入院中の実家の生活費を私が払うことになった。えー。俺、東京で一人暮らしの大学生なのにー、金ないよー、でも、しかたないか、さようなら、貯金。
・絶対示談金ふんだくってやる。じゃないと、俺の貯金が!国よ!休業手当を寄越すのだ!俺に!親父を経由せずに俺に!
・よーし、養うぞー。
・貯めたお金で旅行しまくろうと思ってたんだけど、しかたねえ。世界中を旅するのと家族を養うのと、どっちが人生の良い経験だって話ですよ。
・どう考えても前者です。
・まあいいか、なんとかなるかー。金無いなあ、でもパワプロWIIは買う。DSの神宮寺欲しかったけどなあ、どうしようかなあ、ドラゴンクエストソードも買っちゃったしなあ。
・ということで、誰か僕をかこってください。僕は簡単に体を売るような男です。
・生活費の請求をしたあげく妹は『お兄ちゃん、水着買って』って言いました。搾取されてる俺。
・よーし、昼間はガテン、夜は男娼、がんばるぞー。
・いや、普通にバイトします。必要以上に頑張らない。