クリスマスが今年もやってこなかった
いつのまにかクリスマスが終わってる。びっくり。美容院でカットしてもらってる中に寝て起きたら僕の眉毛が無くなってた、そして店ごと無くなっていた、ばりの驚き。床に散乱した店長手作りの愛されふわゆるパーマ液を尻目にクリスマスに改めて別れを告げる。ええー。いつのまに。知らなかった。俺に内緒で!勝手に関係を進めるなんて!クリスマスの馬鹿!もう知らないんだから!クリスマスなんか天皇誕生日祭3日目として吸収されろ!と大騒ぎをしているのはわけがある。僕はクリスマスプレゼントを買っているんですよね、ね。いや、もう、ね、渡すタイミング逃した。
プレゼントを用意したのは11月。その時は複数の女の子と微妙な関係にあったので、正直誰にあげようかなあって悩んでた。あの子も可愛いし、あの子も可愛いし、あの子の財布で寿司が食えるし、あの子の財布でガリが食えるし、と誰にクリスマスデートのお誘いをするか決めきれなかったんである。自分の性格を考えるときっと誰も本気で好きにならず、『せもし、片っ端から好きー』となるのは目に見えていたので直感が働くギリギリまで決断を伸ばしておいた。でも、プレゼントは用意しとかないと咄嗟の時に苦しむんである。とりあえず、無難なものを用意しとこうってことで、『スパークリング梅酒と、何かのコンクールで優勝したパティシエがその梅酒に合わせて作った焼き菓子』みたいなものを購入した。完璧。無難。女の子の好みを押さえつつ、プレミア感を出しーの、まだ関係が始まってない相手からもらうってことを考えると全然重くない、最適な立ち位置のサプライズプレゼント。素敵。俺、素敵。もし俺が俺だったら俺に抱かれたい、そしてピロートーク2DAYS開催したい。
と、まあ、張り切ってたものの、すっかりクリスマスを忘れてしまってた。結局、誰も誘わずに普通に仕事をしていたらクリスマスが終わってた、歌舞伎町でヤクザの人と『キン肉マンの登場人物で、誰だったら歌舞伎町で一番のキャバ嬢になれますかね?』っていう話をしてたら終わってた、テリーマンで頭がいっぱいになってた。仕方がないので、用意したプレゼントは5年付き合ってる彼女にあげました。もったいない!来年は6年付き合ってる彼女にちゃんとプレゼントをあげよう。