君に『すごいね』って言いたいし、出来れば君に『すごいね』って言われたくて
一人で夢を始めたくなかった。
独りだと考え方が一方向になっちゃいそうで可能性の幅が狭まっちゃいそうで、それに何だか寂しそうで、怖いなあって思ったから。どうせなら、楽しい方がいいし。
『人を讃えるのが好き』なんだ。僕自身輝かなくても、僕の好きな人たちが輝いていればそれはとても楽しい。拍手することがとても好き。すごいね!って言いたい。うん、でも、出来れば僕もちやほやされたいね。そんな関係がたくさんの場所で生まれると楽しいだろうなあって思ってる。
僕が飲食店開業を志したのは2009年6月15日。
僕が最初の仲間を見つけたのは2009年6月17日。
一緒に頑張ってくれる仲間ほど大事なものはないと思ってる。
一人で走り出すのはマジ無理って思って、僕は二日間ずっと考えてた。誰かいないかなあ?って携帯の電話帳を眺めてた。なかなか決断出来ない。僕の友達はみんなバリバリ働いている人達ばかりで、僕の夢に付き合ってもらうには、だいぶ、勇気がいる。今の仕事を辞めて飲食店ってどうなんだ、飲食店ってめちゃめちゃ厳しい業界だし、気軽に言えないよ。僕はリスクを負うのも負わされるのも好きじゃない。
と、言いつつ、本当はあっさりと決まってたんだ、俺の心。言い出す勇気が無かっただけなんだ。悩んでたのは、僕は人の人生を背負わなきゃいけないんだ、ということ。何とか『僕の夢に付き合ってくれて、大失敗したとしても、ちゃんと社会で活躍出来るように復活出来る方法』を考えてた。正直言うと、すぐに思い浮かばなかった。
僕は社会人になってリスクヘッジを常に考えながら仕事していた。それは、クライアントの人生を「ほんの少し」背負っているから、だ。危険な起死回生のチャレンジではなく、小規模でも安定した利益を提供するということをテーマに仕事をしていた。
今回は「ほんの少し」じゃない。大きく関わってしまう、そりゃもう俺が背負い込むくらいに。小さな利益じゃ背負えない。大きな結果を残さないと、夢はどんどん萎む。
ありゃー、これじゃあ、誰も誘えないなー。俺びびりだなー、強引さが無いなー、そんな弱気で独立出来るのかー、あー、でも、一人は嫌だなー。それだったら俺も、今の会社員生活続けようかな・・・給料もそこそこだしなあ。なんて思い始めて、うーん、あー、どうしよー、あー!
ってなった時は勢いで行くしかないかなあって思った。誘ってから考えればいいじゃない。
誘ってみた。
5分で『やりましょう!』という返事が返ってきた。なんてあっさり!
OKをもらってから僕は心配になって『厳しい業界だよ、儲からないかもしれないよ、そんな簡単に決めなくても良いよ』って逆なことを言い始めた。でも、彼女は『せもしさんなら大丈夫でしょー』と言って、あっさりと決まった。あ、僕、せもしと言います、自己紹介忘れてた。
僕は少し動揺して『あ、あの、一切お金出さなくていいから!リスクは全部俺が背負うから!』と言っていた。あ、それでいいじゃないかー。ああ、そうかそうか、これでいいじゃないかー。
誘ったのは、僕がイタリアンレストランでバイトしていた頃の後輩で、就職活動中の大学四年生の女の子。友達がたくさんいて活発でいろんなことに興味を持っているキラキラしている女の子。面白い子だなあって思ってた。あと、可愛いし!これ大事!
一ヶ月前、僕は彼女の就職活動の悩みを聞いていた。なかなか、自分の理想、が見つからないって悩んでた。そりゃまあ、理想なんて、動きながらじゃないと形作れないものだ。就職なんて今までと違い過ぎる世界に飛び込むだなんて、イメージなかなか出来ないだろう。悩んでたみたい。
『わたしはこれからの人生、何をすればいいですか?』とその子から相談メールが来たので、全力で答える。僕は『好きな人をたくさん作ればいいんだよ、たくさんの人に憧れればいいんだよ。そんで、追いつくためにどうすればいいか考えればいいんだよ。憧れの人を追い抜かなくてもいいじゃないか、追いつこうとするだけで十分だよ、届かなくてもいいよ。だってさ、憧れの人は何百人もいるんだぜ?その人の良いところが混ざってるとこを想像してみなよ。トータルで最強になればいいじゃないか。』と答える。
とりあえず、君が憧れている人は、誰だい?たくさんいるだろう?え?俺もその中、入ってんの?あ、そうなの、うん。なるほどね、じゃあ、一緒にやってみる?
ってな感じ。
彼女は、出会いを大切にしたい、と言っていた。なるほど、素晴らしい。楽しくなるに決まってる。たくさんの人と出会って楽しそうにしているなら、とても幸せなことさ。
僕はあっさりと心強い仲間を見つけた。幸先良すぎるじゃないか!