大阪のローマピザ職人しもせのホワイト飲食経営論的な何か

年商2億円・年間休日130日のホワイトなイタリア居酒屋とラーメン屋を6店舗経営/本職ローマピザ職人/元飲食広告制作サラリーマン/損益分岐点の低いローコストほのぼの飲食経営スタイル広めて、飲食業界を過労しなくても成功する世界にしたい/全国750社参の飲食経営勉強会の2019年MVP経営者💖←参加企業募集中(個人店OK)

10年前、さんピンcampに僕はいなかった

穏やかな春風にガタガタ揺れる安アパートから始まる週末の生活はもう昼なのであります。私は煎餅布団を抜け出してヒップホップ、ロック、ポップス、各ジャンルお気に入りの一枚に針を落として寝ぼけ眼をぱっちりと開いたのでございます。気持ちが高揚したところで、私はマイスティースの春の光を取り出してメロディを流し、狭い窓を開け真っ青な空に白い雲を確認するやいなや思いっきり窓を閉めました、純粋な構成に汚点は存在していて欲しいのであります、今日みたいな美しい春の日の空には太陽の光が母親のように注がなければならないのであります、その光はピンクに黒が混じっていて見つめていると『早く、ご飯食べな学校遅れるでー!あんた今日給食当番やろ?頑張れ!』と語りかけてきてテーブルの上を確認するとちくわぶの中にちくわを詰め込んだものが40本、クラスメート40名分ということでしょうか、母親は給食当番のことを勘違いしているようです、僕の分のちくわの中には丸められた手紙が入っていて『お母さんな、給食当番の衣装をピンクレディー風にアレンジしてみました』という暗黒のメッセージが綴られていて私は給食時ピンキーな衣装に身を包み『U・F・O!』と叫びながら友人達にちくわぶちくわを1本1本手渡すのでありました、そんな思い出話を妄想し私は遠く離れた故郷にいる母親にメールを送るのであります、『もう、手作りの缶詰を送らないでください、缶が若干切られていて中の汁がこぼれてきます、どうしてコーラの空き缶を缶詰にするのでしょうか?中身のコーラは空なのに味噌汁がこぼれてくるのはどうかと思います。それと、鮭とか、マッシュルームとか食べ物を缶詰にしていただきたい。次回予告に「母親の寝顔と寝起きの耳の動き特集!」とありましたが、拒否したいです、せめて特集は二の腕、いえいえ、何も贈らないでください、私は気持ちだけで充分なのでございます。』。今日の穏やかな空は私を不安な原因を見せないことで不安を駆り立てる、必要悪と言いましょうか、悪ふざけが許されない空なのでございました。私はきっと目に見える不安が欲しくて空に映る白い雲を黒く塗りつぶして見るのでしょう。春の夕方はとても緩やかに流れ幸福感を演出したがるので、私は不安を探すために散歩に出かけるのでした。新聞が散らかって床が見えない玄関を通りドアを開けた時、私の頭の中は母親の二の腕が撮影された写真が缶詰されて送られてくる不安がいっぱいで、空気に重石を乗せるような物質的な悪意が不安を駆り立てることはとても辛く、精神的な不安じゃないと自分を可哀想に思えないのでしょうかとさらにバランスを失うのでした、この写真は私が何をしてる時の二の腕でしょうか?という問いかけが缶詰の表面に印刷されていて、私はこう答えるのでした、『争奪戦が激しいバーゲンセールに興奮して勝ち抜くため自分の腹の贅肉をもみほぐしてるところ』と、ところが答えは『バーゲンセールで私のもみほぐされた贅肉が300円で売られ、その隣にはトマト3個が300円で売られていて悲しくなったのでそのトマトを食ってやったら私の贅肉は320円になりました、ちなみに私の使用済みパンストは8万円でした、私の汗でアンパンマンの顔がふやけてるイラストが描かれてるパンストです。』と、わかるわけないでしょう、と言っても全て私の妄想の中の母親の行動でありますが、理不尽な答えは私が作り出して私が悶えるためのものでございます。私は外に出た瞬間に広がる春以外は汚く寂れた通りを一瞥し、空気を吸い込み、ひとしきりくしゃみを飛ばした後、白目がちの目を桜色に彩ろうとして階段を駆け下りるのでありました。