夏休みには僕も鉄道旅行をしようと思っている
- 作者: 菊池直恵,横見浩彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/11/30
- メディア: コミック
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鉄道マニアの男、鉄道に興味が無い女性漫画家、鉄道好き編集者(途中、鉄道の知識が無い人と代わる)の3人でひたすら一般人には地味な、鉄道マニアには垂涎の田舎チックな路線及び駅を目指す、ぐーるぐるする。当然、作者寄りの俯瞰ではあるけれど三人称的に語られる風景は冷めているのでマニアック鉄道知識も軽く流してたりして鉄道好きじゃなくても充分に楽しめる、一人の熱狂的な人間に振り回される光景はコント的で面白い。普通、この手の作品は興味の無かった作者がだんだんと対象物に興味を持ってくっていう展開を見せるもんだと思うんだけど、時折反応は示すものの大抵はぐったりくたびれているひねくれの連続性が自然なボケツッコミになってて飽きない、基本的に鉄道に興味がない人間が書いてるんだからいつかはネタが切れるんだろうけども、掛け合いの空気感さえ持続してれば同じネタの再料理するだけでも面白くなるんじゃないかなあ。水曜どうでしょうの面白さのメカニズムと似ていると思う、色んな所を旅しているのに見所は風景とか観光レポとかではなく、愚痴をこぼしたりする会話が一番のおもしろポイントっていう、最初の主題を無視して別の主題を生み出しフォーマット確立。それにしても、オタクというのは所属する世界では住み分けが確立されてるのに、一般人、もしくは別ジャンルのオタクに対してのルールと好奇心の強要っぷりは凄いもんなんだなあと改めて思った、興味無い言うてるのに面白いでしょって言う、まあ、最初のうちはそれをネタに笑いに昇華出来るんだけど辛くなってく、だって僕、今日もバイト先で『造形美、絹ごし豆腐を壊す美学』について熱く語ってたんだけど誰も興味をしめしてくれなくなってきてる、あのキレイでピンと張った直方体をつぶす瞬間の美学、豆腐をスニーカーの形に仕上げてそれを履いて夜の街に飛び出してみよう、食物を踏むしめる背徳感が夜空に溶けてくぜ、10歩歩いたら君は完全に裸足だ!足跡を飾る白いぶつぶつぷるぷるしてる、つぶされた豆腐たち、犯人はお前だ!冷奴食べたかったのに。